インド洋の貴婦人
モーリシャスは火山島の周囲にサンゴ礁が広く取り巻き、「インド洋の貴婦人」と呼ばれるのにふさわしく、美しいビーチはヨーロッパセレブたちをひきつけ、行きたいところのトップクラスに挙げられるなど、世界有数のリゾート地となっています。フランス人を中心に欧州からの観光客が多数を占め、客数や観光収入は急増し、高級リゾートホテルや高級レンタルハウスが多数存在します。ダイビングといった水のスポーツや多種の観光コンテンツがあり、またゴルフやテニスなどのアクティビティも充実しています。
主な産業は、サトウキビからの製糖、繊維製品の加工、観光業です。このほか製塩、ダイヤモンド研磨、紅茶、コーヒー、ココナッツ、ハーブなどの生産を行っています。
歴史的には、10世紀ごろからアラブ人が訪れていましたが、1510年にポルトガル人が訪れた頃はまだ無人島でした。1638年にオランダがインド航路の補給地として最初の植民を開始し、オランダ総督だったオラニエ公マウリッツの名前から「マウリティウス島」と命名しました。マウリティウスの綴りを1968年イギリス領となってから英語読みで、「モーリシャス」とし、これが国名となりました。「モーリシャス」という国名で平和的に独立をして今年で55年になります。ちなみに、我が国は独立と同時に承認をしています。
こういった歴史から、食文化は各国の食生活が混在しています。
DODOという消えた鳥
ヨーロッパ人が来る前、モーリシャス島には「ドードー」という飛べない大型の鳩科の珍しい鳥が生息していました。「不思議の国のアリス」などにも登場しますが、全長は約1メートル、体重は20キロを超え、食しても美味であったようで、乱獲と持ち込まれたブタに卵と雛を食べられたことが絶滅の原因といわれていますが、オランダ人入植後の17世紀後半には完全に絶滅してしまいました。
負の世界遺産
モーリシャス島を領有したフランスは、アフリカから奴隷を連行し、サトウキビのプランテーション栽培を始めました。1814年にはイギリス領となりましたが、1833年に奴隷解放令を定めたことにより、インド人を導入して、サトウキビのプランテーションを拡大しました。その後19世紀後半から中国人も流入しました。奴隷の仕分けをした場所「アーブラヴァシ・ガート」が ユネスコの「負の世界遺産」として登録されました。また、奴隷たちが逃げ込んだところとして「ル・モーン」山も 同時に「負の世界遺産」として登録されました。また、先住民がいなかったこともあり、入植者とその子孫による多民族国家となっています。
南半球最初のオペラハウス
フランス領時代に、南半球初のオペラハウスが作られました。現在でもインド洋に面する国々の中でも最大のオペラハウスとなっています。オペラハウスのスケールは中規模ですが、内装はパリのオペラ座風に建てられ、天井画には歴史的に有名な大作曲家達の肖像画が描かれています。現在でもイベントに使われています。
マックハウス南半球 第1号店
マックハウスも南半球で最初の店舗ができたことでも有名です。首都ポートルイスの港に面した大通りの角にあります。
日本の南洋マグロ漁業の基地と缶詰工場
昭和時代に日本の南洋マグロ漁業の基地と缶詰工場があったことから、非常に親日的で日本の文化を好み、柔道、空手、剣道ほかも盛んに行われています。現在缶詰工場は撤退して存在しませんが、記念碑が立っています。
従来からの主産業は、農業、製造業、繊維加工業でしたが、近年では観光業と観光関連のサービス業、ホテル建設や住宅関連、内装インテリア業、医療業が伸展しています。
最近国が注力している事業
近年金融立国化を目指し金融センターを設置、インドのモーリシャス籍ファンドが増加しました。
2020年世界銀行「Doing Business」ランキング、「事業にやり易い国」のアフリカ圏でドップとなっています。ちなみに、我が国より上位に位置しています。
最近では、アフリカ大陸への入口として、貿易や機械製造、IT産業の拡大を目指し、起業・ベンチャー育成を強化する政策を打ち出し、工場団地の新設、港湾拡大と新設、スマート都市新設を実行しています。
2020年に入り、首都ポートルイスには自家用車による通勤ラッシュ緩和のため、国内初の鉄道となる「メトロエクスプレス」がローズヒル駅からポートルイス駅まで7駅間を20分、30ルピアで運行開始しました。さらに南はキュービップ、北はアプラバシガードまで延伸が予定されています。
その他、一人当たりGDPもアフリカ圏でトップクラスです。
また、人口密度もアフリカ圏トップです。
国旗

赤は血と犠牲、青はインド洋、黄色は太陽と未来、緑は国土と農業を表しています
独立記念日
3月12日
1968年にイギリスから平和的に独立
わが日本国は同時に独立国として承認しました
首都
ポートルイス
大統領
プリトヴィラジシン・ループン氏
副大統領
エディ・ボイセゾン氏
首相
プラビンド・クマール・ジュグノート氏
外務大臣代行・地域統合・国際貿易大臣・金融サービス・グッドガバナンス大臣
マヘン・クマール・シールテン氏
駐日大使(オ-ストラリア大使兼務)
マリー・フランス・リズィアンヌ・ミレラ・ショーヴァン氏
国の花
トロケティア・ボウト二アナ(学名:Trochetia boutoniana)ノウゼンカツラ科タベブイア属
国鳥
2022年3月12日 絶滅危惧種の「ヒドリラプター」(モーリシャスのチョウゲンボウ=小型の鷹)
空港
首都ポートルイスから45㎞にあるサー・シーウーサガー・ラングーラム国際空港(別名プレザンス空港)
世界遺産
ル・モーンとアーブラヴァシ・ガート
通貨
モーリシャスルピー(ルピア) MUR Bank of Mauritiusが発行(中央銀行)
単位 1MUR=100セント
日本円では 1MUR=2.7円前後
ユーロドルに連動しやすい
国外への持ち出しが禁止されています
商業銀行
モーリシャス商業銀行(MCB)
モーリシャスで最も古くまた最大の金融機関で、島全域の42支店と4000以上ある店頭端末のネットワークを運営しています。
1838年、James BlythやWilliam Hollier Griffithsなどの英国商人、貿易商たちが、島で唯一の銀行であり入植者たちを優遇していたモーリシャス銀行と競争するために、Banque Commerciale de l’îsle Mauriceを設立しました。
1839年にヴィクトリア女王はThe Mauritius Commercial Bankの名のもとに20年の勅許を与え、その勅許は1955年8月18日に銀行が有限責任会社になるまで20年ごとに更新されました。設立から100年間は、商業銀行10行との熾烈な競争、2回の世界大戦や自然災害、国家的財政危機などさまざまな出来事で厳しい財政難に直面したにも関わらずThe Mauritius Commercial Bank Limitedは活動を拡大することに成功し、その資産を3倍に拡大することができました。1920年には初めての支店をCurepipeに開設することができました。
為替と資金移動
我が国との金銭の移動に関して、現地に進出している邦銀はまだありませんが、特に金融機関として障害になることはありません。現在外国銀行としては、HSBCの支店があります。
公用語
英語 一般にフランス語のほか海洋(クレオール)語といわれる言葉を使っています
国歌
「Matherland」 母国
大学 (9月~7月)
モーリシャス大学
アフリカリーダシップ大学
英国Middlesex Universityモーリシャス校 (英国の本校卒業と同じ資格となります)
日本から入学する学生を募集しています。
また日本の大学と交換留学協定を締結している大学もあります。
民族音楽と舞踊
数種類の打楽器を中心に早いアラブ風のリズムをつくり、これに歌声でメロでィーをつけています。
「セガ」と現地で言っています。このセガに合わせて、女性たちが明るい色彩のロングスカートを着て、スカートの両端を両手で持ち上げながら、回転を交えながら楽しそうに踊るものが「セガダンス」といわれるものです。
大きなホテルでは夜のイベントで無料で参観することができます。
料理
独立までいろいろな国の領有と他民族の流入があり、地元の料理の種類は混在と調和がされています。その中で、インド系の人が多いことからカレー風味の種類が多いと思います。また、海洋産物が豊富なことで魚やエビを使ったものが多いと感じます。
肉料理は、食料用に持ち込んだ豚のほかには、鹿を放牧していてゴルフ場にまで群れを成して出没します。鹿料理も癖のないものですのでおいしく食すことができます。
ホテルで出される食材は豊富ですが、多くは輸入されているもので、非常に美味しく頂くことができ間違いなく体重は増加します。